乳がんは、日本における女性で最も罹患率の高いがん種である一方、日常診療における治療傾向や患者の転帰を理解するためのリアルワールドエビデンス(RWE)はまだ限られています。本研究では、フラットアイアンヘルスの日本の乳がんリアルワールドデータセットを紹介しました。本データセットは、日本国内の医療機関の電子カルテ・関連臨床情報システムから得られた構造化・非構造化データに基づき、フラットアイアンヘルス独自の手法を用いて標準化・非識別化等の処理を行って構築されています。
本データセットは、がんの詳細な診断情報やバイオマーカー検査結果、治療内容などの主要な臨床変数において高い完全性と臨床的妥当性を示しており、治療効果や患者アウトカムの評価など、今後のがん領域における質の高い研究を支える有用なリソースとなることが示されました。
本データセットは、日本における乳がん診療の実態に関する重要なリアルワールドインサイトを提供し、研究者や臨床医が日常診療における治療効果や患者アウトカムをより深く理解するための有用なリソースとなります。
フラットアイアンヘルスが構築している国横断的な(米・英・独・日)リアルワールドデータを活用することで、比較効果研究や国際比較分析が可能となり、より良い治療戦略の立案や医療政策の意思決定を支援するエビデンスの創出につながると考えられます。これにより、日本のみならず、世界の乳がん患者への提供医療向上に貢献することが期待されます。