当社日本支社責任者の田島 絵里は、厚生労働科学研究費補助金のもと、国立がん研究センター東病院を中心とした研究グループが取りまとめた提言書『薬事利用に資する「適合性」と「信頼性」をもつリアルワールドエビデンス作成に向けた提言』(以下「本提言書」)において、2本の論考を寄稿しました。
近年、世界各国においてリアルワールドデータ(RWD)およびリアルワールドエビデンス(RWE)の活用が進むなか、製薬企業および規制当局によるRWD/RWEの薬事利用も拡大しています。国内においても、医薬品開発の期間短縮や成功確度の向上を目指しRWD/RWEの活用が注目されていますが、日本の薬事におけるRWDの利用は、欧米と比較して依然として限定的な状況にあります。
こうした背景のもと、本提言書は、アカデミア、製薬業界、規制当局など多様なステークホルダーの知見を集約し、薬事利用に資するRWEの「適合性(Relevance)」と「信頼性(Reliability)」をいかに担保するかを制度・事例・技術の各側面から包括的に論じたものです。当社は、米国における10年以上にわたるRWD/RWE活用の経験と知見を日本での有意義な活用促進に向けた議論に還元すべく、今回の寄稿に至りました。
◼️寄稿①: 第1部 3-⑥「海外における現状:Flatiron Healthの経験」
本稿では、米国を中心とした海外におけるRWD/RWEの薬事承認や市販後調査への活用について、当社の経験に基づき、日本における薬事上のRWD/RWE活用のさらなる発展に向けて考察しております。主な論点は以下のとおりです。
- 薬事でのRWD活用において各国規制当局が重視する fit-for-purpose(目的適合性)の考え方
- Flatiron Healthにおける厳格なガバナンスとデータ来歴を担保した高品質ながんRWDの構築と、50件超の薬事へのRWE活用
- 米国における自然歴の解明・治験結果の補完的解釈(contextualization)・外部対照群・市販後評価などの多様なRWD/RWE活用事例と、日本における臨床開発の加速・高度化への示唆
◼️寄稿②: 第2部 7-③「大規模言語処理のRWD/RWEの『適合性』『信頼性』担保への活用の展望(2)」
本稿では、がん領域における大規模言語モデル(LLM)等を活用したRWD構築とRWE生成において、データの「適合性(Relevance)」と「信頼性(Reliability)」を如何にして担保するかについて考察しております。主な論点は以下のとおりです。
- AI・MLの進展を踏まえた電子カルテ内臨床情報の効率的抽出と、LLM活用時の信頼性・適合性の課題
- LLM抽出によるRWDの品質保証としての VALIDフレームワーク(The Validation of Accuracy for LLM/ML-Extracted Information and Data Framework)の重要性
- LLM抽出により構築されたRWDのがん研究・薬事利用に向けた今後の展望
◼️掲載媒体
本提言書は、以下にて公開されております。是非ご覧ください。
- 一般社団法人日本癌治療学会 公式ホームページ(宣言・見解):https://www.jsco.or.jp/about/opinion.html
- 週刊学術誌「医学のあゆみ」297巻1号(2026年4月):https://www.ishiyaku.co.jp/search/details?bookcode=929701
「医学のあゆみ」297巻1号は、本提言書を基に、薬事利用に資するRWD/RWEの信頼性確保の現状から制度的実装、技術的発展までを包括的に論じた特集号です。当社の寄稿は、第2章(海外における現状)および第6章(大規模言語処理の活用展望)に掲載されています。
本件に関するお問い合わせ先
フラットアイアンヘルス株式会社
報道関係お問い合わせ窓口
press.jp@flatiron.com(日・英対応可)


